ステッピングモータとは?
ステッピングモータは、通常思い浮かべるDCモータのように回し続けるだけでなく、正確な角度に回せることと、止めておけるのが特徴です。
通常のモータは負荷の変化や内部接点の摩耗によって回す力や速さが変化するため、回す角度を一定にしようとすると別途センサが必要ですが、ステッピングモータはセンサを必要とせず目的の角度に回すことができます。
内部の駆動回路があり、電圧の高い⇔低いの変化(パルスといいます)を使って、何刻み回すか、という考え方で動かします。
少し難しいかもしれませんが、具体的に説明します。
例えば1回転400刻みのステッピングモータがあった場合、400回のパルスを送ると1回転します。400回のパルスを10秒かけて送るか1秒で送るかで1回転の速さが決まります。
1回転は360度なので、360度/400回=0.9度が、パルス1回の回転角度となります(ステップ角といいます)。モータに取り付けたタイヤの経によりますが、例えば0.9度の角度で0.1ミリメートル進む場合、1パルスが0.1ミリメートル。10センチメートル進む場合は1000パルス必要というように、目的に対して、単純計算で正確な制御ができます。
止めておけるのも特徴と書きましたが、100パルス送って、1秒止まって、またパルスを送れば、10センチメートル進んで1秒止まってまた進むという動きもできます。なお、止まっている間もモータ内部の電磁石と永久磁石の間でガッチリ引き合っているため、多少の力では回りません。
動かし方
1つの永久磁石と①〜④の電磁石で動作原理を説明します。
はじめ、①の電磁石をオンにしてN極を発生させると、図のように永久磁石のS極が引き寄せられます。
次に、②の電磁石をオンにすると、図のように永久磁石が回転します。
次は、③をオンにします。
④をオンにします。
また①に戻ると1回転です。ステッピングモータは内部に駆動回路が備わっており、パルスによってオンにする電磁石を一つづつ切り替えるようにしています。
隣り合う電磁石、例えば①と②を同時にオンにすると、次のように中間の角度に回すことができます。
②と③だと、次のようになります。
駆動回路のつくりによっては、パルスを受け取ったときにオンにする電磁石を、①→①②→②→②③→③→③④→④→④①→①のように変えることで、細かく回転させられるようなこともできます。
これらは動作原理の説明のため、1パルスで90度または45度の回転になっていますが、実際のステッピングモータはもっと細かく回転できるようになっています。
参考文献
CoderDojo 岐阜の主な活動拠点である、岐阜メディアコスモス(や市内の図書室)には、参考になる書籍があるのでいくつか紹介します。
- 白石 択、きちんと知りたい!モータの原理としくみの基礎知識、日刊工業新聞社
- 赤津 観、最新モータ技術のすべてがわかる本、ナツメ社
- 森本 雅之、モーター、マジわからんと思ったときに読む本、オーム社