当ページに掲載している情報は全て提案です。ですので、実際に実施される際には、環境によって多少なり改良が必要な場合がありますのでご注意ください。
また、内容は岐阜市内の公立小学校を想定した内容となっております。また、岐阜市内公立小学校ごとによっては、設備や備品の状態が同じでないこともあると思いますので、その点も調整は必要となります。
以上の点を踏まえた上で、参考にしていただければ幸いです。
当情報を発信するに至った理由
現在(当記事執筆時)、岐阜県の新規感染者数は増加の一途を辿っており、年始から始まる学校生活に不安を覚えているのは生徒だけではないでしょう。
岐阜市においても、高齢者と同居もしくは生活の中で接触する過程も少なくなく、小学生や中学生が感染した際にも重篤化する可能性は低いということは統計上事実であることを理解しつつも、そこが感染源となり家庭へウイルスを伝搬してしまうリスクを考えざるを得ません。
そういった事案は、感染者と同じくらいウイルス伝搬者(と考えられる人)も辛い思いをすることになります。特にその感染者が高齢であったり基礎疾患を持っていたりする場合は余計にです。
ですので、私個人としては、学習機会を奪うようなロックダウンは行うべきではなく、学び方の選択肢を生徒や家庭がリスクによって選べる体制を、学校側として可能な限り提供してあげるべきだと考えています。
しかし、学校関係者のみなさまにおいては、普段の子供達の学校生活を支えるべく日々取り組まれていることも、一保護者として理解しております。ですので、そこに加えてオンライン授業への対応を強化しろ、模索しろ、準備しろと簡単に口にできない心情でもあります。
ですので、このCoderDojo岐阜という組織を介して、学校関係者の皆様に向けて、オンライン授業の実施に向けた準備の一助になるような情報を発信できないかと考えました。
また、最下部にも記載しておりますが、岐阜市内の公立小学校・中学校であれば、予定が許せば無償でCoderDojo岐阜のチャンピオン(もしくはメンター)が学校へお邪魔し、オンライン授業の実施に向けたご相談をお受けすることも開始しました。
ぜひ、掲載情報と合わせて参考にしていただければ幸いです。
オンライン授業の開催に向けた環境準備
状況として、完全なるオンライン授業の実施となることは想定しておらず、
- 登校可能な生徒
- 自宅にてオンライン授業形式を採用する生徒
が存在する前提で進めます。
というのも、オンライン授業形式というのは、こういった緊急事態にも活用できますが、平時から利用できる環境は用意しておくべきだと考えています。
それは、様々な理由で学校へ(または教室へ)来れない子供たちへの授業動画の配信やアーカイブを用意することも、今後の学び方の多様性を考える上で必要な対応となってくると考えるからです。
教室にある資材を活用する
岐阜市の小学校(中学校はどうでしょうか?)には、教室に大型テレビ(モニター)が常備されていると思います。そちらをモニターとして活用することをお勧めします。
2020年度から岐阜市では小・中学生にはiPadが配布されましたが、先生にも行き渡っていると聞いています。それらも活用することも視野に入れています。
必要な資材としては、
- 大型モニター(キャスターなどが付いた可動式が望ましい)
- iPad(先生用/配信に利用)
- あればPC1台(上記大型モニターをモニターに利用)
で大丈夫です。その他には、それぞれを接続するケーブルなどは別途必要になるかと思います。
パソコン室のPCを各教室へ
全生徒へのiPad配布により、学校内のパソコン室のパソコンは眠っている状況ではないでしょうか。そちらを各教室に配置して、インターネット接続ができるように準備しましょう。
そのPCを大型モニターに接続してMicrosoft Teamsにアクセスさせる(生徒の様子一覧用)
先生のiPadだけで授業を行うことは可能です。しかし、生徒の様子を確認しながら授業を進めるには、iPadだけでは難しいでしょう。
ですので、生徒の様子を一覧するために大きなモニターに接続したPCを利用します。また、授業運営時に生徒へのリアクションを求めたりする場合も、こちらのPCを利用すると良いでしょう。
先生用iPadは配信用(板書撮影/音声収録)
先生用のiPadはホルダーを活用して、授業の進行の様子を撮影・収音するために利用します。
この際には、iPadにて自身を写している画面を大きく表示して(スポットライト機能を利用)、意図した範囲の黒板が写っているか、または板書の文字が小さすぎないかどうかを適時確認しましょう。
先生用iPadしか使えない場合
正直、上記の方法が最低限の対面形式授業方式をオンライン形式で実施する方法となります。ですので、上記の環境を用意できず、先生用のiPadしかないという場合には、より一層の工夫が必要となるでしょう。
では、どのような工夫かというと、
- 授業を事前収録(一部でも可能)
- 1学年で1つの授業を実施する
- ブレイクアウトルームなどを活用して話し合いメインの授業を行う
- ドリル形式の課題を提供して取り組み、個別に質問などに対応する形式にする
といったことが考えられます。
また、1と2を組み合わせて、1学年の先生方で1つの授業を作り上げ、オンライン対応を行うという手段も可能です。また、それを併せて、事前に授業内容に必要な要点の説明部分だけを事前に収録しておき、それらを配信することで、ワークなどの取り組みをメインにしながらも、解説を入れていくことも可能でしょう。
オンライン授業への工夫案
こちらは、教育現場を知らない素人が勝手に発想した案ですので、どれほど実現可能性があるのかは検討されておりませんのでご了承ください。
生徒へのマイク利用リテラシー教育
私自身、長男が通っている小学校のオンライン朝の会の状況を横目に見ていたことがあるのですが、小学校低学年の場合は、正直申し上げてカオスな状況になります。日常と違うので、楽しくなってお話してしまうんですよね。気持ちはわかります。
ですが、授業などを進める上では、なんとか改善しないと進められないでしょう。
ですので、マイクの使い方を指導する必要はあります。小学校中学年以上だと、少しは理解してくれるかもしれませんが、自分が話す時だけマイクをオンにするといった啓蒙をしていく必要はあるでしょう。
また、それが難しい場合には、授業運営側(先生など)で強制的に全員のマイクをオフにするという対応も、方法の1つとして持っておくと良いでしょう。
また、学校などでマイクオン・オフの操作方法解説の動画などを用意して、授業を始める前に流すというのも良いでしょう。
先生の直筆ノートをカメラに写す
意外にもアナログではあるのですが、効果の高そうな演出として、先生の直筆のノートをカメラに写したり、PDFを配布するという取り組みは良いでしょう。ノートをこういったもの(下参照)に吊るしてカメラに写して説明をするというのも良いと思います。
この方法の良いところは、パソコンなどが苦手な先生でも簡単にオンライン授業を活用できるという点です。また、ノートをPDF化することで、授業後に生徒に配布して復習を促すこともできるでしょう。
黒板に書く文字の大きさと利用範囲
生徒はiPadなどの画面で授業風景を見ています。ですので、いつも通りに黒板に文字を書いていても読みにくいでしょう。ですので、最適な文字の大きさを事前にテストをして確認することをお勧めします。
目安は一文字につき、10cm以上の正方形を推奨されています。
また、iPadのカメラで黒板全域を写すことはできません。ですので、どこからどこまでは確実に映るのかを事前に確認しておく必要があります。
単純に目視で確認をして、黒板に線を書いておくことでも対応できますし、養生テープなどで目印をつけておく方法でも良いでしょう。
黒板が太陽光などで反射しないようにカーテンを閉めておく
天気によっては、太陽光の反射によって黒板の明度にばらつきが出ると、カメラではうまく写せない場合が発生するでしょう。ですので、万全を施して、カーテンはできるだけ閉めておくことをお勧めします。
課題に取り組む時間を計る際にはキッチンタイマーなどを視覚的に見えるようにする
授業の中で、問題などに取り組むこともあるでしょう。そういった場合には、制限時間などが全生徒共通で確認しにくくなる場合があります。各家庭の時計が常に学校と同じでないのと一緒です。
ですので、キッチンタイマーなどで十分ですので、取り組む時間を明示するとわかりやすいでしょう。
黒板の有効利用
前述しました板書の文字の大きさのところで、カメラに映る部分をわかるようにしておくと書きましたが、考え方によっては板書を広く利用し、その様子を授業ごとにカメラで分割して撮影をし、授業後に板書を撮影したデータを共有することで、より一層黒板を書き写すことに集中する授業から、授業の中身に集中してくれるようになるかもしれません。
そして、後ほど板書データを提供されるということは、授業前に生徒に伝えておくべきでしょう。
チャットを利用して質問などに答えてもらう
キーボード入力が可能な学年であれば、先生から質問をして、答えを数字の3択などでリアクションをチャットに入力してもらうということも面白いでしょう。
また、低学年の子供達の場合は、番号を書いた札を事前に作っておいて(家庭で割り箸などで作ってもらうとか)、それを自分のカメラに写してもらうことで、キーボード操作を回避することができるでしょう。
授業へ参加している実感を得ることができるので、面白い取り組みになると思います。
チャットウィンドウの活用
上記の発展系ですが、先生が質問と選択肢をチャットに入力し、生徒は自分が考える答えに「いいね」をしてもらうことで、全体の意見をチャットで集約することも可能です。
しかし、事前に「いいね!」をする操作方法は確認しておく必要があるでしょう。
授業の録画とアーカイブ
授業の様子を録画しておくことで、あとでMicrosoft Streamで視聴可能(?)となるので活用しても良いかもしれません。
病欠や不登校児童などへの日常的なサポートにも役立つでしょう。学び方の多様性を実現させるきっかけになると思います。
CoderDojo岐阜がオンライン授業実現に向けたご相談をお受けします
CoderDojo岐阜は、岐阜市内の みんなの森 ぎふメディアコスモス を拠点にして活動させていただいています。そして、イベントに参加してくれるニンジャの多くは、岐阜市やその近郊の学校に通う子供たちです。
また、イベントの中には岐阜市教育委員会様の後援をいただいているものもあり(2020/9〜2020/12、2021/01〜は申請中)、我々としても何かお手伝いできることはないかと考えました。
その結果、岐阜市内の公立小学校という限定付きではありますが、CoderDojo岐阜のチャンピオン(私)またはメンターが、ご依頼いただいた学校へお邪魔し、実際にどのようにオンライン授業が実施できるのか、環境などに関するご相談を無償でお受けすることにしました。
ご相談いただいた内容は、学校を特定できない範囲で当ページ内にて誰でも参照いただけるように紹介させていただくことがあります。あらかじめご了承ください。
要望される方(学校関係者様)は、以下のお問い合わせページ(CoderDojo岐阜の運営母体である岐阜市登録市民団体Shift ウェブサイト内お問い合わせフォーム)よりご連絡ください。